私は求めていた。
一番私に相応しい相手を……。
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最初はいいかなぁって思ったんだけどねー
なんてったってあだ名が地味‘Sよ?
でもはずれだったな。
だって……
「ごめん。告白しといて難だけど、やっぱり付き合えないわ」
「えっ……」
動揺しているのは彼。
大人しくて、いい人。
性格も控えめ、特に目立たない……と思ってたけど、所詮、全国区だわ。
「なんで?」
「だって……貴方って目立つんですもの」
この一言を好意的に受け止めたらしく、相手はこちらを見た。
さわやかな人。
嫌いじゃなかったわ。
でもね……
「名前も知れ渡ってるし。覚えやすいのよ、ごめんね「南」」
そういうこと。
「東方も。嫌いじゃないんだけど、背がありすぎるのよねー、やっぱり目立つわ」
「うわーラッキー。二人ともふられてんの。じゃ、ちゃん。俺は駄目?」
あ、まだいたの。
千石。
この人こそ、嫌いだわ。
目立ちすぎ!!
「ごめん、むこういって。邪魔。目立つ。目がつぶれる」
「……ひどいよぉ……きよ泣いちゃう」
「うん泣いてて」
そう
私の理想はあんたの逆側にあるのよ。
ゴメンネ。
いい子だとは思うんだけど友達にもしたくないわ。
さて別のコートで試合でも見てこよう。
さっさと本気になれる相手選びたいもの。
………………。
………………。
「氷帝はスルーするだーね?」
あ、ダーネだ。
この人、惜しかったのよね。
口が……。
いえ、そこが彼の顔の造詣を微妙にいいテイストにしてるとこでもあるんだけど。
でも、ちょっと目立つわ。
目立つの嫌い。
だけど、まあ。
地味な性格は嫌いじゃないわ。
やられ役くささも。
友人にはいいのよ。
「そ。レギュラーなんて最悪よ。俺様とか、クールぶった眼鏡関西人とか、飛ぶ少年とか、でかいのとか、髪の毛アピールとか……みんな恥ずかしいわ」
派手すぎ。
「あ、跡部が来たダーネ。知り合いダーネ?」
「ええ。ちょっとね」
嫌いなの。
で、だから、通りすがりについ言っちゃったのよね。
『目立ちすぎ。うざい』って。
しかも本気。
やっかみとかじゃない声。
相手も流石に目が点になってたわ。
「おい、」
「覚えなくていいわよ」
「そうはいかねぇーぜ。俺様を無視するなんぞ、百年はえー」
すたすたすた。
ダーネが慌ててるけど、まああいつ暇みたいだし、付き合ってくれるみたいだから放っておこう。慣れてるだろうし。
「おい!ちょっと待て!」
「待たない」
「あのな……」
うーん。なんだかかわいそうだけど、こいつが今ここにいるだけで気持ち悪いくらいに目立つし。
「目がつぶれるから待たない」
「…………」
流石に絶句していたみたい。
ま、これで大人しくなったからいいけど。
「さ、ダーネ。試合どうなってんの?」
「あ、今赤澤と金田がやってるダーね」
「あらステキ」
「なるほど」と横で声が聞こえるわ。
ばれただろうな。
赤澤はあの背で色黒、五月蝿いし、私のタイプじゃないもの。
金田君狙いよ、断然。
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コートにいった私は……。
「あーん。じみっぷりがステキ」
相手は青学。
目立つのばっかだから正直どうでもいい。
でも金田君、ダブルスでこれだからいいけど、シングルスでも目立たないに違いないわ。最高。
と、思ってた。
最初のうちは。
でも……。
「バカザワーーーー!!」
切れた。
あー。
「駄目だ、こりゃ」
「え??」
横でダーネがびびってる。
てかあんた、いいの?試合。
「なんでだーね?」
「今ので名があがったに違いないわ」
「地味さに欠けるってことだーね。だったら観月なんかは勿論」
「駄目」
「ダーネ」
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ダーネと別れてから、私は不動峰ってところをみにいった。
でてきたばっかりってところが、いいでしょ?
地味な人材に長けていそうで。
ちなみに部長は有名だから却下。
ついでさらさら髪の綺麗な子――伊武と、その友達の神尾君もリズムがうざいからOUT.
狙いは石田だったんだけど。
「世間的に目立つ人だったのね」
却下。
そこで掘り出し物発見。
石田のペアの桜井君。
悪くないわ。
あら?
「前衛キラーで有名なんだろ」
「そうそう、意外にうまいよね」
知名度あるみたい。
駄目ね。
ついでに内村君と森君もみたんだけど、ぱっとしなさ具合はよいけれど駄目みたい。
なぜって、それはあの人たちといると、基本的にレギュラー行動だから、あの大仏と一緒ってことで……
「目立つわ」
回避するしかないみたい。
私は別の場所に移動した。
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結局、獲物は見つからず、試合も終わり。
次の試合も……。
ぜんぜん駄目だったんだけど。
いたのよ!!
最高の人が!!
「あ、すみません……」
たまたまぶつかった氷帝の部員。
誰?
なんて聞かないで。
名前忘れちゃったんだから。
ふふふ最高でしょ?
地味中の地味。
きいたら、氷帝の部員(そしてレギュラーでも準レギュでもないのよ?)で170人目くらいのうまさだって言うの。
ああ、半端ってステキ。
速攻ゲットに乗り出したわ。
「あの女、何、男あさりにきてんのよ?」
とか跡部の応援団に叩かれたけど、それすらも回避して。
今日も私はあの二百人応援体制の、裏側で、その彼の応援に励んでる。
「いつか芽が出るようにがんばるから、さん。よろしくお願いします」
って可愛く笑った彼(しょうゆ顔 地味)だけど、
言えないけど思うの。
「あー今さいこーにしあわせ!!」
そういうこと。
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結局私は至上最凶の男をゲットしたみたい。
だって、ほら?
誰もこちらを見ないし、無茶もいわない。
面倒もない。
彼氏にするならこういう人に限るわ。
その分すきでいてあげるから、お願い
「絶対目立たないようにね」
「あの……無茶いってませんか?」
「ううん。跡部なんか見習ってるところ、普通くさくて好きだけど、そうなっちゃだめよ?」
そんな今日も平凡な一日。 |