劇場サディズム   余暇はどこに?
【SIDE 柳沢】

 練習に姿を見せないを、不思議に思って相方に事情を聞くと、むくれた顔で、

「デート」

 答えが返った。
 何でとめなかったんだともいえず、そもそもどうしてそういう成り行きになったのか分からず首をかしげる。

「知らないよ。サエから聞いただけ」

「傷つかないといいだーね……」

「……実は不二に釘は刺したんだけど…かえって焚きつけちゃったかも。……それに、が好きなんだったら仕方ないから」

「淳……」

 ――たきつけたって何してるだーね……

 あきれ半分。けれど幼馴染という関係だからこそ、これ以上踏み込めない木更津の気持ちが分かるだけに何もいえず、黙り込む。
 そのまま、ボレーの練習、と観月から声がかかって、コートに入った。

 ――何もいわない方がいいだーね。

 最初からそういう意味で……恋愛で彼女を好きではないから、たぶん言いすぎることができない。
 複雑な相方の気持ちは何となくしか分からなくても、何となくは通じる。
 なぜなら、自分も同じくらい(というと怒られるかもしれないが)彼女が心配なのだ。

 その夜、からメールがあった。
 傷つくからやめた方がいい、というアドバイスを送ったという淳へのコメント含めて。

FROM 
件名:心配ないよ
今はいい友達みたいな感じだしね

 無理を殺しているでもない調子に、少しほっとしながら、不二をはじめてにくく思った。
 期待を持たすな、とはいわない。
 何を考えてるのか分からないあの笑顔の少年も、裕太の話をきいていると相当にひねくれているから、「もしや彼女を……」と思わなくもないからだ。

 ――でも……は結構お子様だから、あんまり泣かせないでほしいだーね

 淡白で免疫のない彼女のもうひとつの顔をみてきた兄貴分として、ただそれだけが願いだ。
 自業自得でとらわれて苦労することになる不二のことはいざ知らず。




 閑話
 もうちょっと丁寧に書きなおしたいのですが、一先ず。

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