劇場サディズム  【余波】
【木更津SIDE】


 厄介なことになっている気がする、そう告げると友人は首をかしげた。

「不二が絡んでるのはわかったけれど……でもわからないだーね」

「なんで?簡単な話だよ。
 が不二を気に入ってる、それが問題なんだよ」

 あれではそれなりに人見知るタイプだし、趣向がはっきりしてる。
 ただ今回は妙に気を許してる素振りがあり、そこが心配だった。
 別に彼女が誰と付き合おうが構わないが、裕太の絡んだ不二(兄)相手となるといやな予感が拭えない。

「そうは思わないだーね」

 相棒と意見があわないのは、と付き合いの長さが違うからだろう。
 何年も見て来たから本人が気付かなくても分かってしまうこともある。
 ――あれは……。
 不二について話してた横顔は観月のとき以上に……何というか「期待」を移してた……。

「だてに幼馴染みをやってはないからね ――まあまだ興味程度だとは思う」

 それ以上になられても困るのだ。
 裕太を見てるとわかるが……

「不二は質の悪さは御墨付きだと思わない?」

 まあ、あれも一種愛情表現だとは思うが。

「時期が時期だけに、だーね」

「そう。気になってに近付いたとして、原因は――」

「裕太だーね」

「そういうこと」

 そして本当に怖いのは、がその原因を理解しているかどうか……。

はずぼらだから、兄弟繋がりとかすっかり気付いてないかもだーね」

「こないだも言いかけたきり言ってないし、そもそも不二が歪んでることすらわかってもいないかも」

「――で、不二を気に入ってるかもしれないって?まさか……」

「うちで一番気になるのが観月だっていった面食いだよ?」

「……けどそれは淳を抜かしてだーね」

「そりゃ」

 認めよう、顔以前に自分は彼女の特別好きに入る。

「だから平気だーね。は多分不二に淳を見てるだーね」

「何さ」

「不二も人当たりはよく見えて、自分を出さないタイプだと思わないか」

「あ―」

が気に入るとしたら、飄々とかわす辺りが淳に似てるからだーね」

「そんなこと」

「最初裕太が淳を何となく苦手がってたことを思いだすだーね」

  編入してしばらく裕太にはおどおどされていた記憶は……ある。
 仲はむしろいいが今でも微妙に緊張されてるかもしれない
 まさかあれ=不二周助と同じにされているとは……。

「亮のがまだ近い」

「裕太だって兄貴が嫌いではないだーね。それに流石に混同はしてない」

「なるほど。深く関わらなければ、同じに思えなくもないか」

  確かに的をついていると思えた。
  かといって、だからが平気かといえば、それは違う。

「好奇心は猫をも殺すらしいから」

  取りあえずにはいっておこう、不二兄弟の関係と複雑な繋がりを。
 まさか時を同じくして、噂の彼がさりげなくちょっかいを出し始めたとも知らずに、そんな〔兄〕としての決意を固めた。
 そして……



合間がすかすかしててすみません……
何とかなりそうならあとで足す模様。
ここまでが本来の序章だなとおもいつつ。

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