今時流行らない対決。 その?文化祭
【SIDE】
「」
「なんで……」
「なんで、来たか、か?」
わからん。と真田は口を閉じた。
沈黙が耳に痛い。
どうしろっていうのよ?
だって……。
あの後、ろくにあってなかったら安心してたのに、文化祭に……この人が来て――わざわざ私を呼ぶなんてことが起きたのだ。おきてしまったのだ。
「へえ、真田の……。可愛いね」だの
「おっさん、悪くないんじゃなか?手塚の知り合いっちゅーからもっとかたそうなのイメージしたけん」だの
「うわー真田にはもったいねー」だの……
何の話ですか?
……とききたくなるような集団も含めて。
とはいえ……
「すまん。煩いのをつれて……」
「う……まあいいけど。折角だから、今日は楽しんで……うーんとテニス部?でもみてくるといいとおもうよ」
「いや、今日は……」
「?」
真田は言いづらそうに、帽子をかぶりなおす。
ふと、周囲のひとたちが消えていた。
何?何?なんなのこのシチュエーション……
控え室代わりの準備室に二人、というのはどこか居心地が悪い。
まして、こんな人のしょげているシーンにばかり遭遇している私だ。
相手も、相手で……普通は避けるものだろう?
なのに、真田ときたら……
「お前に会いに来たから」
だから……テニスは関係ないと……。テニス部でなく、ここに少しの間、いてはいけないか?と……。
なんでいってしまうのだろう。こんな、何もないように。
胸が落ち着かない。
再び沈黙……。
(どうしたいの?)
いってしまえば、真田がまた泣いてしまうんじゃないかと(そんなはずないのに)思って……
それくらい、真田の困惑や緊張が伝わってきて……私は俯いた。
真田は「いいか?」と駄目押しして、私は止むを得なくて、ううん……すごく普通に頷いてしまった。
「邪魔にはならないでよね」
可愛げなくいって、クッキーの仕込を始める。
興味ふかそうにみている真田の視線に、頬が朱に染まったのは何故だろう。わからないけど……泣きそうだった。
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