◇ お目付け役 ―出会い編― (手塚)◇

「ええと……」

 目の前にちっちゃいのが座ってる。
 なんだろ
 つんつん。
 触ってみたんだけど どうにも感覚は普通の……

「なにこれ……」

「何じゃない。大体いちいち人を触らないとたしかめられないのか」

「うわしゃべった!」

「しゃべった、じゃないだろう。……ところで、今日は何をしていたんだ?」

 あきれ声で言うさまがやたら似合っている。
 えらそうに聞こえないのは彼がきっととても模範的です、とかいたようなカッコウと雰囲気をもってるからだ。

「……えーと……」

「もう忘れたのか?」

 少しだけ不安になったのか、目の色がかわってみえて。

「あ……」

 昨日のことを思い出すのだ。
 ぬれていたこの子を連れてきた私のこと。
 そのとき、きゅっと私のパーカーの中で髪をつかんだこの子がやたらかわいかったこととか……
「かぜ、引いてない?」
 尋ねたら、こくんと頷いたから……お風呂に入らせて、服を――昔のぬいぐるみのだけれど――きせてやって……

 ――それでねかせたまま、私も私でねてしまったんだっけ?
 朝はジタバタと目覚ましに起こされ、あわてて学校にいってしまったから気づかなかったのだけれど。

「ごめん。放っておいて」

「……いや」

 いい。と彼はいう。

「ええと……あの、名前まだきいてなかった」

 妖精に名前ってあるのかな? 
 思うが、彼は「ああ」と低い声で(妖精にあわない!)答えて

「手塚国光だ」

 しっかりと名乗りを上げてくれた。

「あ、うん。……私、ね。 でいいや」

「ああ、よろしくな、

「……うん。よろしく……?????」

 ――ん? ちょっとまって……

 よろしくということは?

「ええと……うちの子に、なるの?」

「いや、迷惑なら別に……構わない」

「ううん そんなことないよ。ただいきなりつれてきちゃったし、いいのかなって。心配とかされない?」

「妖精は妖精で、仕事だからな」

「そか……」

 それもそれで切ないけれどなんとなくほっとした。

「じゃあ、いつまでだかいまいち分からないけど……」

 それは後で説明すると、律儀にいってくれるこの子はたくましくて、昨日みたいに可愛くはなかったけれど(このなりなのに)それもそれでほほえましいからいいだろう。
「よろしくね」

 にっこりとはしてくれない彼。
 でも、差し出した指にのせられたちっちゃい手は暖かくて、思わず笑みがこぼれてしまった。

ちっちゃいけど部長だね
……というわけで、単発の手塚。
あまりリンクしない単発なので変換はCと一緒。
 性質としてはジロ・ブンや木更津の子に比較的近いかなと。

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