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「何、ここ?」
茫然とする前に、あまりのことで現実感が沸かない。取りあえず、確認。
前後左右見るまでもない……
此処は京都?
何となく、だけれど、こういう勘はあたる。
それよりも、まず……
困った時に確認すべきは「路」。人に聞いた方が早いだろうことは、景色の変化から読み取れるような気がした。
どっひゃーーーという気持ちはすっと引く。
実際、かなりパニックなんだけどこうときめたら、足が動いていた……………イケメンの方に。
「…………はっ」
ちがうだろ、わたし!
でも、仕方ない。目がおっちゃうんだからしゃあない。
ってか!!!!
「たけるううううううううう!!!」
心の叫びがまちがって、叫びになってるとは思いもしなかったけれど…………
は、そのまま何となくついていってしまったのだ。
さとうたけるバリの美形の方へ。
そして…………
「――っ」
目があう手前で、息をのむ。
彼は、子供を高く高く空へ放り投げていた。
ーーそりゃあないだろ!!!!!
わたし、は正義の人である。
そういうの、だめ!よくない! が先に来る。
もうお説教を始めたいくらい。許しがたいくらい、その行動>>>>イケメン。である。
だめ、ぜったい、だめ!
ぴんっとその正義感が宿った瞬間、イケメン怖い、というか、彼にはお説教すべきと切り替わるわけだが…………
「……………」
流石に初対面にお説教はためらわれる。
というか、微妙な心持になってきた。最初はどうだっけ?わたし、道をきくんだよな?そうだよな?
反芻を一度。
「やっぱり他の人にしよっかなぁ。あー、もう」
なんで微妙なんばっかりなんだろ。わたしはどうして、この「もしかして運命?」な状況においてすら、貧乏くじを引く? ヒロインからずれてくの????
首をかしげながらも、しぶしぶ…………肩をすくめ、意識を切り替えていく。
と、そのとき・・・・・・・・・・・・・・・
「おい」
「ひゃっ!!!」
「ひゃって、変な声あげんなって………何もしないから」
振り向けばそこに………
――子供?
「なんか失礼なこと思っただろ?お前……」
顔にだすなよ、と不機嫌そうな顔をするのは、少年だった。
自分より、ちょっと若いというか、なんとなく餓鬼臭い気がするのは、さっきのイケメンと比べてか。
「…………あ」
――あれ? そういえば。
この人の服装どっかで見たことがある…………
「ああああああああああ!!!」
「っな、なんだよ 急に」
「ご、ごめんなさい!………あ、あの、ちょっと路が」
路に迷ったのは事実で、何処にいけば分からないのもそうなんだけど!
ちがう。違うってば。いいたいのはそれじゃなくて…………
――さっきのひとと、同じ服装、ってか………………あれって!!いやいやそんなまさか。
新撰組の、浅黄なんて。
言えたもんじゃない。
さすがに、夢見る乙女思想でも、そこまで頭悪くないし、夢にしても、またさんとか、さんに、「ちゃんwwww」って笑われる!!笑われるから!
「へ?何?お前、迷子なのか?」
「あ、うん………って!!!そうじゃなくって…………あー」
あーーーー と、だんだんとしぼんでいく声。
「かわいげねー声だすなよ」とか失礼なことばが聞かれた気がするが何だろう。
この人なら、力になってくれそうな気もする
ーー単純そうだし
よし!そうときまれば取り込むっきゃない、って………………言えればいいのだけれど。そこまでいい性格はしていない。
――困った………ていうか泣きたい。
迷ううちに、彼――ポニーテール?の元気っ子風な少年は、何か感じ取ったようだ。(勝手に)
「あ、いや、俺たち、そりゃ悪い噂はあるけどさ。これでも、都の人の味方ってことになってんだけど……あー………何があったのかわかんねーけど、元気だせよ、な?」
――なんだろう。慰められてっし……
うーん、かといって、迷子です、って此処で私が申告するのも、なんか違う。上手く使うのには、悪い。でも、この人しか頼る人がいない。
――どうしよ…………
堂々巡りに入りそうになったところで
「どうしたの?」
平助、と。後ろから声をかけるものがいた。
――っ。
さきほどの、
「あ、総司、それがさ。この子が・・・・・・・って???」
「何、その子。なんで平助の後ろに隠れてるわけ?どういうこと?」
っていうか早く捨ててきなよ、とでも言いたそうな目。
何となく教育的指導をとおもっただけのことはあって、このイケメンは悪いイケメンらしい。
「あー、こわくねーって。出てこいよ、お前………」
「っ」
――怖いからやだ。
とは、流石に言えないから、なんだろう。どうしたらいいんだろう。でも、このままじゃマズイ。
ていうか、なんとなく、なんとなく、だけど、もう此処まできたら認めるっきゃないかもしれない。
――いまこの人、へーすけっていった……ってか、何???あ???これ、どっきり?
で、相手が総司。なのだ。
――夢だと思いたい。というか、ありえんだろう?わたし、頭だいじょぶか?
本当ダメだろ。いやいやいやいや………………
混乱の最中、何でだか口走ってたのは…………(※意識はしてません。口走ってるの気付かぬまま口走ってたのです)
「薄桜鬼………」
そしてそれだけじゃなくて…………
――沖田さん、「こわ……」
「あ?」と、その瞬間、目をギンっと睨みつけるように彼がこちらを向いた気が………はっきりと、した。してしまった。いえいえ聞き間違えですよ、と本人に対して言えるはずもなく…………
がしかし、
「ん? あー、泣くなよ。てか何で涙目なんだよ。お前……」
と本気で困った平助の後ろ、ますますちぢこもる他なくなる。
パニックだ。パニックを起こしているのだ。分かるが、止まない。ぐるぐるぐるぐる、どうしていいか、さっぱりわからなくなる。というかわからなくなることまで分かってるというか…………
――あーーー…・・・・
気絶でもいっそ、してしまいたいという気持ちの最中、なんで止まらない、私?
思わずつぶやいていたのは、
「かえる、とこ、ない…………(だから、どうにかしたいんだけど、なに?どうすればいいの?……なにいえば、あー薄桜鬼といえば……)千鶴ちゃん…………コウドウさ、ん…………」
「「っ」」
それが、致命的、だったというか、運命だったというのか。
「あーなんていうか、総司、この子…………」
「そうだね。どうするにしても、何か知ってるわけか。これじゃあ連れて帰るっきゃないよね」
そういうことだ。
「取りあえず君さぁ、平助の後ろに隠れるのいい加減にしない? 何を知ってるのか分からないにせよ、不愉快だから」
「まあ………悪気があってのことじゃ―」
「まあね、沖田総司っていえば一番隊組長だし、それだけでよくない風評があることは認めるけど?」
「な? なら、彼女だって別にそう他意があってのことじゃ――」
「噂をうのみにするような愚かな子、どうかとおもうよ。それじゃあ、情報の一つだって正確につかんでやしないかもしれない。――いっそ、斬っちゃおうか」
「おい!」
「何? 懐かれて情でもわいてるの、平助」
「ちが、うけどさ………そんなふうにして、」
「そっか逃げられたら困る? じゃあ、僕先にいってるから、平助、その子、連れてきてよ」
「え? ちょ、ちょっと……」
「女の子一人くらい、逃がしたりしないよね?」
平助も、分かってるんだろ?と、言外に問う言葉。
――どう、なっちゃうのか、っていうより、これって――
助かったのか、助からなかったのか。
取りあえずこの時点で、ありがたいとおもうのは・ただただ………………
「あー、もう。勝手な……。まあいっか。ごめんな?」
「あ、…………はい。いえ、こちらこそ、何だか急にいろいろ思い出しちゃって。変なこと口走ってしまって、………………ていうか、何してんだろ、私………ああーもう…………」
ぶつぶつ言いだす私に、
彼は、「悪いがそういうわけで、ついてきてもらうから」と、手を引っ張って、きた。
連行、になるのだろう。ちょっとやりづらそうな彼の様子を見ていると「仕方なく」思えてくるのが不思議だ。
というか、まだ私、混乱してるのだ。
――てか!!!てか!!!てか!!!!平助君が思ったより小さいとか言ったら怒られるというか、まだ現実わかってないんじゃ?っていうか。なんなのこれ????
こうして、の新撰組への合流は幕を開いた。
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