「桜を見るか?それとも、こっちを味わうかじゃ」とか 言って手をだしかかって おこられて
ぷんすかされて、手でぱんって殴られて。
「痛て……。あんまり乱暴はするなよ。せっかくの風流な夜じゃ。愉しめばいい」
とか、適当なこといわれつつ、お花見続行っていう二人がいい、と思う。
という話になったので書いてみた。
***
「のう、牛鬼。桜と瑶と、どちらが綺麗か?」
「……」
答えづらいこと言うな、と内心頭にきているだろう牛鬼をしり目に、総大将はそのまま続ける。
今度は姫だけを見ていることを、誰もが知っていた。
「牛鬼は答えられないが、ワシはちがうぞ」
「聞きたいか?」と言いながら指先が怪しく、着物に入り込んでいることに姫は気づいているのだろうか。
あーあ、と。
誰もが思っているのに、この姫さまは気づかない。
箱入りって恐ろしいな、と烏天狗は悪しざまに腕の中の姫君を見る。
瑶姫は、きょとんと首を傾げ、主に体を預けている。
そんな状態では、いつ食われるものか分かったものではない。
生真面目な牛鬼がどういっていいか、もがいている間、鴉天狗は、
こりゃ、雪麗に言わせるしかないか、と少しばかり考える。が……それこそ、面倒を引き起こすことを考えて、頭を抱えた。
――何にせよ……
夫婦である以上営みにケチをつけるつもりはない。あやかしだからこそ理解する慾も理解する。
だが、何も知らぬ白布を汚す無粋はどうかと思わないでもない。
「んっ、あ、あの、……こそば、ゆいのですが?」なんて、可愛らしくもがいている少女にするには、無体がすぎやしないか?ましてや夜とはいえど、桜見の席。
鴉が口を開きかけたそのときのこと、
「花が――」
まさかのまさか。口を出したは牛鬼であった。
「花が散るには、まだ早いかと」
精いっぱいであったのだろう。微妙に逸らされる目が踊っている。まぎれもなく泳いでいる。
が、それは、総大将の饗をそがず、止めるのにふさわしい「風情」ある制止だった。
「ほお、ならば満開の花の下、もう少し酒でもたのしむとしようか?」
「飲まれますか?」
間髪差し出す盃を、無言で受け取り一口。
この場は含んだ酒を、口付けで姫に映す悪戯にとどめて――
「綺麗じゃ」
どこへともなく、声をかけ、ぬら組の花見が始まる。
総大将が本当の花は桜か、瑶か。
END
落書きなんだけどね。らくがき