| File:10 〜 SIDE Kiyosumi Sengoku 差し入れは後で。 (そんな理由で、手塚の部屋の前にいるんだけど……) 「苦手克服、か……」 『千石は優等生苦手だからな』 (やっぱ、苦手……?) ちがう。 「知らなすぎるのもフェアじゃない」 ていうか俺が彼を嫌いになりたくないってだけかもしれないけど。 「やっほ」 最初と同じように笑う。 「跡部は……」 「ん?」 (ああ。そういうことね) 「出られるよ。けど、あんまり好ましいことじゃない」 先読みして、答えを出す。 (そんなの知ってるってーの) 俺だってまだ枯れちゃいない。 「何故だ?」 「外の方が危険だから、って言いたいけど、『跡部』は有名だし?」 「見つかるとマズイのか?」 「当然」 まずいのが目撃してしまった相手の方だということまでは、この目の前の堅物には分かってないだろう。 「君も同じだけどね。見つかる確率でいえば」 「いや、『跡部』は特別なのだろう」 「ふうん。何も知らないのかと思ってた」 「そうか」 「ぼーっとしてみえるからね」 「よく母に言われる」 その表現が過去形になるのに、どれくらいの月日で済むのか――手塚君は知らないだろう。 (同じようになっていくのか、それとも……) ま、俺のしったこっちゃない。 (止ーめたっ) ここにいると気分を害する。 「………バランスが悪いんだよね」 「?」 手塚君がきょとんとした。 「なんでもない。それ、君の知ってる人が作ってるんだ。よければ温かいうちに食べてやって?」 「……ああ」 南なんて、覚えてないかもしれない。 そうだ。 「食べていいのか……?」 誰か聞いていいのか? けど、マジに美味いからさ……。 「急いで食べてよ。……あっ、けど、好き嫌い言ったら、俺怒るからね」 だからシッカリ、平らげてよ。 TO BE CONTINUED =SIDE |
ごめん。意味のある話はできてない……色々な重みは伝えてしまっているのだけれど。